こんにちは!コドモン人事です。
インタビュー形式で、コドモンの中の人を紹介していく、この企画。シリーズ第6弾は、保育園の給食室から飛び出して日本全国の栄養士さんを救うために、コドモンの新機能である「献立作成・管理」の責任者として日々奮闘している管理栄養士の森山さんです。
22歳で現場責任者!? 調理現場での壮絶な経験
———どんなキャリアを歩んできたんですか?
新卒で、病院や老人ホームなどの給食業務だけを請け負う会社に入社しました。調理現場はかなり厳しいということも学校の先生から事前に聞いてはいましたが、教えていただいたとおりだったこともあって順調に楽しみながら仕事を続けられました。
よく新卒って入社3ヶ月とかで辞めたい病になるじゃないですか(笑)同期は、結構苦しんでいて厳しい現場に耐えられずやめてしまっている人もいたので、学校の先生に感謝しつつ、とにかく一生懸命頑張っていると1年ぐらいしたところで、事業所のチーフを任されることになってしまったんです。
現場には、調理師が複数名いて、もちろん私は学校を出て2年目なので一番年下ですし、マネジメントの経験があるわけでもありませんから、最初はやっぱり毎日のように、不満を言われてばかりで泣きながら働いていましたね。
———22歳で調理現場の責任者は大変ですね。どうやって乗り越えたんですか?
そうですね。SVやエリアマネージャーの人たちとは、常にお話をするようにしていて、マネジメントについては色々と教えていただきました。現場では、もう「当たって砕ける」しかないんですけど、まずは認めてもらうために自分がやるべきことをキッチリやって、その上でお願いや相談をするようにしていました。特に、いきなりにならないように早めに相談をするようにしたり、自分だけで決めないようにしたり、かなり注意しました。
そこから何年かして、チーフ業にもそれなりに慣れてうまく回り始めて、後輩も入ってきたりしながら働いていると、今まで見えてなかったものが見えてくるようになってきたんです。
主に、おじいちゃんやおばあちゃんのための食事を作っていたのですが、認知症でいろんなことをどんどん忘れていってしまう方や、糖尿病で食事制限が厳しい方がたくさんいました。
そうした方たちと日々触れる現場にいると、本人は食べたい! という思いがとても強いので「食べさせろ! 」って暴れたりもするんですよ。そんな姿を見ていたら、そういう病気になる前に何かできれば良いなという思いが強くなりました。
実はこうした生活習慣病をはじめとして、老後に影響が出てしまう可能性の1つとして、子ども時代の食事が影響すると言われています。管理栄養士という資格を持っている自分にできることは何か考えたときに、子どもたちの未来を守りたい、それができる現場だと考えて保育園に転職を決めました。
———そうなのですね! 保育園の給食現場はどうでしたか?
大手の保育事業者が運営する保育所で働くことになったのですが、私が園に入るタイミングで前任者は辞めてしまっている状態でした。私が勤めることになった園に限らず、どこの保育園も給食室に対しては、なかなか投資ができません。
食育や給食に力を入れている保育園も一部ではありますが、それ以外はコストカットの対象にせざるを得ないのが、私が見てきた現実でした。実際に私も最低人数で無理やり調理を回すことは最低限当たり前のこととして求められていました。また、残念ながら国家資格である管理栄養士の資格を持っていても、給料水準は調理現場と同じになってしまいます。
こうなると専門知識を持つ人は、給与水準の高い病院やフリーランスで献立などを作る仕事をしたほうがいいという話になってしまい、ますます人手不足で園から管理栄養士がいなくなってしまうのです。
命を預かる仕事だからこそ、このままではいけない
———保育士不足が叫ばれる昨今ですが、給食や栄養管理も深刻そうですね。
そうですね。私は、調理の現場に6年いたので、大量調理に関する知識も経験もそれなりにあります。前任者のいない保育園に転職してもそんなに困ることはありませんでしたが、普通はそうではありません。学校卒業したばかりの子がそのままやるケースも少なくありません。
皮の剥きかた、切りかた、火をかける順番、といった大量調理は、通常の料理手順とは違う動きができないとお昼までに給食が完成しません。こうしたノウハウは現場だけで培われて、継承されてきているので、先輩がいない園では無理やり回している状態だと思います。
それ以外にも色々と課題があって、私も1年はなんとか我慢してやってきましたが、このままでは、目の前にいる限られた子どもの未来ですら守れないと感じるようになりました。そこで、志半ばではあったのですが、一度現場を離れることにしました。
———現場を離れて何をしようとしたのですか?
漠然と、このままではいけない。ということはわかっていても、それをどう解決したらいいのかは見えておらず、答えの出ないまま飛び出すことを決めたのですが、、、
その噂を聞きつけてコドモンに転職していた元同僚から「今度、コドモンで給食室向けのサービスをはじめるから話を聞きにこない?」と、連絡をもらいました。話を聞きに行くと、献立の作成や管理ができて、栄養価の計算もできるサービスを開発している途中で、専門知識を持ったメンバーの力が必要だというタイミングでした。
さらに、私の園での経験や感じている課題も解決できる可能性を秘めているサービスであることがわかりました。漠然としていた考えが、コドモンの力を借りることで日本全国の保育園の未来を変えることができるかもしれない! そんな実現の可能性まで見えたので、まずは飛び込んでみようと。
———現場からIT企業ってギャップが大きかったのではないですか?
はい。正直、今でも葛藤はあります。コドモンにおいて給食室に向けたサービスは、新機能のためまだまだお客様も少ないですし、それ以外の業務もしなくてはなりません。特に私自身はオフィスワークの経験があるわけでもないので、基本的な電話やビジネスメールなどもひとつひとつが勉強です。自分の成長のためには必要だという思いもありながら、管理栄養士という資格とは関係のない仕事に大部分の時間を使うというのはギャップが大きいですね。
最近は、土日に調理現場の手伝いをしたり、コドモンでも顧問をしていただいている管理栄養士のかよ先生と現場で食育講座をしたり、少しずつバランスを取れるようになってきているので、徐々にではありますが、専門的な仕事にシフトできるようになってきているかなと思います。
ちょっとネガティブなお話をしてしまいましたが、コドモンにきてまだ1年経たないくらいですが、本当にいろんな経験をさせてもらいながら思い描いていた世界を実現するための準備は着々と進んでいるという実感もあるんです。
全国の給食室をコドモンで変える! ここでもまた責任者に?!
———給食室を救うためにどんな未来を描いているんですか?
あくまでまだ私の目標なので、これからコドモンでどれだけ実現していけるかはわかりません、というのを前提でお話をさせてもらいます。
まずは最低限の安心安全の担保からです。これは、現在提供している献立作成・管理機能において、えいよう未来研究所さんから無償で提供していただいている1000品を超えるレシピや、有料にはなりますが栄養価計算まで完了している1ヶ月分の献立定期配信サービスによって「献立が立てられない」「栄養価計算ができない」といった問題を解決します。
これは全てのベースになるのですが、コドモンで献立作成・管理をしてもらえると、食材の発注を簡単にできるようになるんです。必要な情報が全てシステム上にあれば、自動計算ができますからね。その先には、食材の業者さんへの自動発注までやりたいですね。
実は、こうした事務作業に時間を奪われてしまっていて、献立の内容を考えたり、食育イベント考えたりする余力が残っていないので、まずは、ルーティン業務をスリムにするというコドモンらしいコンセプトに沿って給食室の環境も変えていきたいです。
私は、コドモン以外にも、スポーツチームのサポートをしていて、栄養指導もしているのですが、スポーツ栄養学をコドモンの世界の中でいつか融合できたらいいなという夢があります。
子どもの成長を見守っていくサービスへと進化していくコドモンの世界の中で、必ず成長には栄養学が密接に関わってくると思うので、そこに向けて頑張りたいと思います。
———素敵な目標ですね。そういえば、いつの間にかプロジェクトリーダーですね? (笑)
そうなんです(笑)
もちろん最初からそれくらいの覚悟は持って飛び込みましたし、ちゃんと相談にも乗っていただける環境があるので責任ある仕事を任せてもらっていますが、一人という感覚はないです。
エンジニアとも毎日MTGしながら連携し、今は監査対応に向けた準備をしています。先ほどお話ししませんでしたが、給食室も保育現場と一緒で、監査対応でたくさん書類作成をしなければいけないので、それもコドモンを使ってもらえれば簡単に出力できるように開発を進めています。
———最後に2つ教えてください。働く上で大事にしていることと、今後コドモンにどんな人に来てもらいたいですか?
働く上で大事にしていることは、「自分にできることを全力でやる」ですね。自分は、まだできないことのほうが多いと思っているので、目の前の仕事、貢献できることを全力でやることを心がけています。
どんな人に来てもらいたいかというのは、難しいですが、今、社内にいる人たちがみんな凄い人というか、コミュニケーションをとっていて気持ちがいい人が多い会社なので、同じ空気感を持った人が来てくれたらいいなと思います。
私が続けられている理由のひとつに、集まっている人たちの魅力というのはあると思っているので、そういう人が増え続ける会社になって欲しいし、していきたいです。
あと、食関連のサービスに興味があって一緒に作っていきたいと思ってくれる人もぜひ。最初からその業務だけできるわけではないですけど、コドモンを大きくしていく中で絶対に必要になるものだと私は思っているので。
———ありがとうございました。僕も思い入れが強い分野なので応援しています!!
株式会社コドモンでは一緒に働く仲間を募集しています
https://www.wantedly.com/companies/codmon/projects