トップページへCreated with Sketch.

MENU

PRESSROOMプレスルーム

プレスルーム
2021.10.21 #ニュースレター

つくば市長とコドモン代表小池の会談を実施

シェアする Facebookのリンク X(旧Twitter)のリンク ピンタレストのリンク
投稿をみた人数 1,940 VIEWS

つくば市長とコドモン代表小池の会談を実施

本会談は株式会社コドモンの保育士採用支援事業「ホイシル」とつくば市が保育の魅力発信と保育人材確保における相互協力に関する協定書を締結したことを記念して開催しています。 

──協定を結んだ経緯についてお話しいただけますでしょうか。

小池代表:弊社は“子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに”というミッションを掲げて運営をしています。つまり、子どもを取り巻く大人たちが抱える負担やストレスを取り除き、子ども中心の社会を作っていきましょう、というヴィジョンになります。その中で現在は、施設向けの業務支援システム展開をメインに行っていまして、昨年からは新たな事業として、待機児童のボトルネックになり保育の課題である職員の量的な確保と資質の高い職員の確保をご支援する、施設向けの採用支援サービス「ホイシル」をスタートしています。「ホイシル」は一般的な求人サイトとは異なり、まずは施設それぞれの特徴や独自のストーリー、保育の素晴らしさ、やりがいをあらためて発信していくことで、今後保育の質を高められるような人材や保育の成り手を増やす支援を行います。スタートしてまだ1年程ですが、約200,000人の職員から毎月600,000PVの利用をいただいています。現在は約1,000施設にサービスを利用していただいき、まだまだ伸びしろの多い事業ですが、今後もしっかりと前述のサービスの意義を大事にサービス展開をしていきます。つくば市では待機児童が急速に解消されつつあると伺っていますが、「共に、未来を拓く力をすべての子どもに育むまち」という基本理念をかかげていらっしゃるとおり、弊社としましても保育の質、子育ての質をどのように高めていき、資質の高い職員の確保、保育のなり手をどのように増やしていくのかを一緒に考えていきたいと思います。

五十嵐市長:まさに自治体が必要としていることだと感じました。つくば市は子どもの数が急速に増加していまして、それに伴い保育需要も増しています。沿線開発が進んでいることもあり、90人規模の施設を3か所とプラス小規模保育施設の新設を毎年行わないと追いつかないという状況です。他の自治体からは羨ましがられることもあり嬉しい話ですが、それに対応する状況を整えることが急務だと感じています。確かにつくば市の待機児童は減少傾向にありますが、ただ単に子どもを預ける場所を増やす、待機児童を減らせばいいということではありません。施設は子どもが育つ場所ですので職員の責任は重く大きいですし、同時に大変やりがいのある仕事です。市としても保育の質についてのガイドラインを作り、つくば市の保育が目指すところを明確にし、公立・民間に関わらず共通認識を持って保育を行っています。つくば市では民間保育士に対して月3万円の独自補助を行っていますが、補助制度を知らない人も多く民間では職員の採用サイトまで作成できていない例もあり、今後の課題にもなっています。この協定により、仕事のやりがいや保育の魅力について広く発信していただければと思います。

──保育・子育てについて考えていることを教えてください。

五十嵐市長:私は子どもが4人いまして、2番目の子どもまでは妻にすべて子育ても家事も任せていました。父親として最低ですね。今は家族全員分の朝ごはんをつくり、子どもの送り迎え、掃除や洗濯もメインでやっているので、ある程度胸を張ることができると思っていますが……。まだまだ子育ては女性がするものという意識が抜けていないことが現状です。つくば市役所も男性の2週間以上の育休取得率100%を目指していて、現在は75%に到達しています。一方、先日市役所のホームページに、“男性の育児参加のための休暇取得について”という記載があったんですね。女性だったら、“育児参加”なんて言わないよね、ということで表記を修正したことがありました。このようなアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)はまだまだ存在していますし、改善していかなくてはいけません。子育てはみんなで行うものですし、その意味でも保育施設で働いているみなさんは大切な仲間です。私の子どもが通う保育園に日中用事があって行った際などには、子どもたちがお昼寝している側で食事もとらずに打ち合わせや日誌を書いて忙しそうにしている保育士さんの姿がいつもありました。がんばってくださっているからこそ、できるだけ省力化できるものはしてもらい、子どもと向き合う時間を増やしていくことの支援が必要なのだと思います。つくば市の複数の民間施設から「コドモン」導入のことを聞いていますし、民間施設で導入が進んでいる事に対し公立が遅れをとってはいけませんので、今後もお力をいただければと思います。「コドモン」を導入する施設は圧倒的に増えてますね。DXへの期待は民間施設からはありますか?

小池代表:ありがとうございます。導入施設は現在9,000カ所ほどで年内で10,000施設を超える予定です。現在1日20,30件の問い合わせをいただいていまして、弊社から電話で営業をすることはありません。肌感覚としては、去年までこのようなシステムは​​“あれば便利”というものだったのが、今は“なくてはならないもの”という認知に変わってきています。ICTを導入して適切に運用すれば、少なからず業務は省力化され、子どもと向き合う時間を確保することができます。人がやらなくていいことはたくさんあり、それは減らすことができる。合理的に考えれば導入するべきで、これは職員の採用にも大きく影響します。ICTの導入を検討していないとなると、保育者が園児と向き合うことを考えていないのか、という視点にもなってきています。保護者の目線から言っても、負担が大きい欠席連絡など連絡の受付がアプリでICT化されるメリットは大きく、導入した施設が保護者に選ばれる一つの理由にもなってきます。今後ICTの基盤が施設や保護者にとって必要不可欠なものになると感じます。

五十嵐市長:今はとにかく空きがあって入所できる施設が選ばれることもありますが、待機児童が落ち着いてくると施設の選択肢も増えてきますし、ICTが導入されて保護者の負担も少なく、保育士さんもゆとりを持って子どもと向き合える園は選ばれていくのでしょうね。ご年配の職員はICT導入に苦手意識がありそうですが、実際はいかがでしょうか。導入の際はどのようなお話をしているのでしょうか。

小池代表:ご年配の職員が難色を示すこともありますが、それ以上にICTを導入すべき風潮が広がっている傾向があります。ICTは私たちの味方なんだ!と思っていただけることが重要です。職員があまり触れなくてもすぐに効果実感がある「登降園/入退室管理システム」や保護者からの欠席連絡は、今まで電話対応だったのが画面で瞬時に表示されるので、どんな施設様でもメリットを感じやすいです。こういった、ご年配の職員でもすぐに使える機能も多く、ICT導入は子どもと向き合う時間を応援するものだという認識を持つことが重要だと考えています。コドモンでは、「保育ドキュメンテーション」という写真とコメントの記録を軸にした子ども主体の保育をICTで支援するサービスなども提供を開始していますが、そういった新たなことにもチャレンジしたい!と思えるように、弊社の「サクセス部隊」が職員と一緒になってサポートしています。

五十嵐市長:確かにどんな小さなことでも効果を実感できるといいですね。一人一台の端末は必須でしょうか。

小池代表:特に0、1、2歳児の未満児は子どもと向き合う時間がより必要になりますので、記録しようとした時に端末使用の順番待ちを防止する観点からも、職員一人一台の端末のご準備を推奨しています。「コドモン」導入の自治体は現在約170カ所ありますので、今までの成功事例等を共有しながら導入を検討いただくことも可能です。ところでつくば市独自のガイドラインはスローガン的なものを掲げる施設が多い中、施設の評価という点ではそれぞれの立ち位置が理解できるいい取り組みだと思いますが、具体的にはどのようなものでしょうか。

五十嵐市長:国が定める保育所保育指針などを踏まえ、「安心の子育てができるつくば」を目指していくために策定しました。保育に関わる一人ひとりが「つくば保育の質ガイドライン」を活用し、また、つくばらしさや地域の資源も活かしながら子どもたちを支え、市内のどの保育施設においても質の高い保育が受けられるよう、具体的な保育の方向性や守るべき事項を定めています。ガイドラインは、保育の具体的な確認項目を、チェックボックス形式で挙げていて、職員や各施設は日々の保育の振り返りや保育現場での環境構成や検証、研修などに活用しています。ワーキンググループで現場の職員の意見や、幼稚園教諭、保育士、保護者などを対象としたアンケート結果、ワークショップで出された意見などを踏まえ議論を積み重ね作成しました。

小池代表:弊社でも保育者の研修サービスを実験的に行っています。サービス開始の背景にあったのが、施設には仕事を学んだりフィードバックを受ける文化が根付いていなかったため、職員の資質を高めることを大きく阻害していることでした。職員自身が自分の対応に迷っていたり、自分たちがやっていることが正しいかどうかのフィードバックが得られない。得られたとしても明らかに共感できない、結果としてそれが理由で転職をしてしまうことも多いと聞きました。自治体が一つの方向性を示されるのは、職員にとってより働きやすい空気になるのではと思い、大変共感いたしました。

五十嵐市長:豊富な経験はとても大切ですが、経験則だけが頼りになるような閉じた世界であってはいけないと考えます。全体として明確な方向性や項目の柱が示されたガイドラインを自治体で示すことは、保育行政にとても大事なことです。ガイドラインが現場で働く職員の拠り所になればいいと思います。

──最後にこの協定を今後つくば市でどのように生かしていくか、どのような政策につなげていくかお聞かせください。

五十嵐市長:情熱を持った保育士さんや職員さんに来ていただきたいし、みなさんにとっても魅力的な街であることもしっかりと発信していきたいです。御社は保育現場のDXにも精通していますし、そこで保育士自身が余裕を生み出せるようになっていくことが、結果として保育の質のガイドラインを実現していく上でも必要なことだと思います。働き方改革や業務改善を行うことで子どもと向き合う時間が増えることに、様々な形でお力をいただけると考えています。

小池代表:つくば市が、先進的な思想を持つ自治体であると五十嵐市長の話からひしひしと伝わってきました。私たちも先進的な取り組みを行いながら、失敗を恐れずに答えを出していきたいと思います。今後も様々なチャレンジをつくば市とご一緒できれば幸いです。今日はありがとうございました。

シェアする Facebookのリンク X(旧Twitter)のリンク ピンタレストのリンク
投稿をみた人数 1,940 VIEWS